Last update: Sep. 18, 2010
角屋可好「尺八之栞」
1903年（明治36年） 竹声会
（文化庁長官裁定による公開）
凡 例
一 我快道流ノ尺八奏曲ハ專ラ琴三絃ニ合奏ナスヲ旨トシ偏ニ雅曲（上方歌：かみうた）ヲ而己奏スルニアレド本書ハ素人初學者早習ニ便利ヲ與ヘンガ爲メ奏シ易キ雑曲（流行節：はやりうた）ノ類ヲ彼是ト擧ゲタリ識者是ヲ尤メ給フナカラレ
[中略]
一 尺八ハ其名稱ノ如ク壹尺八寸ヲ以テ音調ノ適度トス故ニ是ヨリ短キハ琴三絃ニ合奏ナシガタシ且ツ諷フニ困難ナルベシ若シ短寸ノ尺八ヲ以テナサバ特ニ其術アレドモ茲ニハ略ス
[中略]
一 尺八ヲ吹奏ナスニ關シ身搆又ハ他ニ禮式等多々アレド事長ケレバ省略ス
[以下略]
1903年（明治36年） 竹声会
（文化庁長官裁定による公開）
尺八のしをり
緒言
尺八ハ五穴ヲ以テ十二律ノ音聲ヲ自由ニ發スル者ニテ西洋樂噐ノ如ク機械的ノ作用ニアラズ啻呼吸ト指頭ノ熟練ニヨリテ自ラ備フル所ノ雅音ヲ發ス故ニ我國美術ノ一トシテ古來ヨリ韻士雅客ノ最モ愛玩スル樂噐ナリ現今音樂ノ流行ニトモナヒ都鄙ノ別ナク到ル處該樂器ノ音ヲ聞ザルナキハ嘉ミスベケレド其方法アルヲ知ラデ徒ラニ竹音ヲ弄スルノミ實ニ快樂トナスニタラズ是則明玉ヲ持チテ■[←？]カザルニ似リ寔ニ雅曲ノ爲ニモ又惜ムベキナリ吾皇學ノ師松本翁先年ヨリ尺八ノしをりテフ書籍ヲ著述ト諭言□々[←しばしば]ナルモ可好己レノ拙劣ヲ耻ヂ再三辞スレド又奬メラルコトモ再三ナレバ止ムナク筆取ル事トナリヌ斯テ此書他流ト雖モ美シキ所ヲ採リ自流トイヘドモヤサシキ所ハ捨テ彼我折衷シ專ラ我快道流の改良ヲ圖リ且斯道ノ擴ク行ハレン事ヲ望ミ聊カ初學者ノ爲メト身ヲ顧ミズ是ニ書著ハシヌ世上ノ識者予ガ拙キヲ咎ガメ給フナクバ幸甚
明治 年 月 日
緒言
尺八ハ五穴ヲ以テ十二律ノ音聲ヲ自由ニ發スル者ニテ西洋樂噐ノ如ク機械的ノ作用ニアラズ啻呼吸ト指頭ノ熟練ニヨリテ自ラ備フル所ノ雅音ヲ發ス故ニ我國美術ノ一トシテ古來ヨリ韻士雅客ノ最モ愛玩スル樂噐ナリ現今音樂ノ流行ニトモナヒ都鄙ノ別ナク到ル處該樂器ノ音ヲ聞ザルナキハ嘉ミスベケレド其方法アルヲ知ラデ徒ラニ竹音ヲ弄スルノミ實ニ快樂トナスニタラズ是則明玉ヲ持チテ■[←？]カザルニ似リ寔ニ雅曲ノ爲ニモ又惜ムベキナリ吾皇學ノ師松本翁先年ヨリ尺八ノしをりテフ書籍ヲ著述ト諭言□々[←しばしば]ナルモ可好己レノ拙劣ヲ耻ヂ再三辞スレド又奬メラルコトモ再三ナレバ止ムナク筆取ル事トナリヌ斯テ此書他流ト雖モ美シキ所ヲ採リ自流トイヘドモヤサシキ所ハ捨テ彼我折衷シ專ラ我快道流の改良ヲ圖リ且斯道ノ擴ク行ハレン事ヲ望ミ聊カ初學者ノ爲メト身ヲ顧ミズ是ニ書著ハシヌ世上ノ識者予ガ拙キヲ咎ガメ給フナクバ幸甚
明治 年 月 日
角屋可好誌
凡 例
一 我快道流ノ尺八奏曲ハ專ラ琴三絃ニ合奏ナスヲ旨トシ偏ニ雅曲（上方歌：かみうた）ヲ而己奏スルニアレド本書ハ素人初學者早習ニ便利ヲ與ヘンガ爲メ奏シ易キ雑曲（流行節：はやりうた）ノ類ヲ彼是ト擧ゲタリ識者是ヲ尤メ給フナカラレ
[中略]
一 尺八ハ其名稱ノ如ク壹尺八寸ヲ以テ音調ノ適度トス故ニ是ヨリ短キハ琴三絃ニ合奏ナシガタシ且ツ諷フニ困難ナルベシ若シ短寸ノ尺八ヲ以テナサバ特ニ其術アレドモ茲ニハ略ス
[中略]
一 尺八ヲ吹奏ナスニ關シ身搆又ハ他ニ禮式等多々アレド事長ケレバ省略ス
[以下略]
