Last update: Sep. 19, 2005

武田鏡村 「虚無僧　聖と俗の異形者たち」 三一書房

はじめに
第1章　ある虚無僧の死と「兄妹心中」
　　行き倒れていた虚無僧の処置
　　「謎かけ松」に歌われた虚無僧の死
　　なぜ妹は虚無僧に変身して死を選んだのか
　　解体された虚無僧普化宗の怪
　　民衆に嫌われた虚無僧たちの末路
第2章　江戸虚無僧の変幻万華鏡
　　江戸初期の虚無僧三態
　　「慶長掟書」の成立とそのカラクリ
　　幕府隠密と越後明暗寺の監察権
　　敵討ちと駆込寺としてのアジール性
　　虚無僧による「敵討」異聞
　　"仙石騒動"の神谷転の場合
　　江戸に登場した伊達虚無僧
第3章　法燈覚心と"風狂禅"の普化思想
　　虚無僧寺の発祥伝説の謎
　　由良興国寺の法燈覚心の事歴
　　覚心は普化禅とも尺八禅とも無縁だった
　　「臨済録」にみる普化の風狂禅
　　明頭・暗頭・虚空の普化思想
　　鈴・鐸・管・尺八−法器の変化の怪
　　中国人亡命者による尺八吹禅
第４章　風呂と聖と尺八
　　風呂屋と呼ばれていた虚無僧寺
　　乱波の湛光風車が営んだ風呂と虚無僧寺
　　高野山の湯聖と一遍の覚心への相見
　　尺八名手「頓阿」の四条道場と萱堂聖
　　興国寺に残る「暮露薦僧本則」の背景
第５章　普化尺八禅の源流を遡る
　　「暮露々々のさうし」にみる暮露の生態
　　暮露に流れる暴力・強姦・乞丐的な体質
　　武闘的説法者の出現と解体
　　薦僧の出現と一節切と社会的排斥
　　自死を選んだ尺八吹禅の人びと
　　狂雲子・一休宗純の"普化思想"礼賛
　　一休による普化尺八禅の高掲の意図
　　虚空をふるわす尺八の音に霧散した禅風